2007年07月21日

地震・雷・弦・わたし。

「たいふういっか」が「台風一家」ではないと気付いたのが齢にしていくつだったかは、恥ずかしくて人に言えない。
ハナタレの頃は、台風ともなれば「学校が休みになれー♪」などと過度の祈りを込めたものだが、オトナになるとそんなこともやっていられなくなった。

私が祈りもしないのに猛威を振るった台風4号との出会いは、トキメキもへったくれもなく、前泊地で人づてに聞いた「明日、台風、来るらしいよ」というゆるいものであった。
ま、その時は大して気にならなかった。
「ふーん。」と言ってキュウリでもかじっていた覚えがある。
ま、空路なら欠航があるかもしれないけれど新幹線ならダイジョブだよね、と。
その「明日」とは私の、東海地方から東京方面への移動日であったのだが。

ま、それが甘かったのである。
結果的に、私は暴君4号と共に東京までデートするはめになった。

その日の朝、テレビをつけると画面が何やら騒がしい。
気象情報のテロップが流れ続け、民放までもが台風特番を組んでいる。
「東海道新幹線は一部区間で運転を見合わせています」だったのが、すぐに区間が広がり「復旧の見込みは全くたっておりません」になった。
途中の河川が増水しており、水がひくのにかなり時間がかかるのだという。
あらま、とりあえずは駅に行こう、と思った。
何かいつもと違うことが起きているというわくわくどきどきと共に、正直、困ったなぁという気持ちでもある。翌日はまた東京から北のほうに遠征なのである。

新幹線がダメならハイウェイバスという手がある。
バス会社の窓口へ行くと、バスは動いていると言う。
しかし途中通行止めの区間があり、一般道へ迂回すると。
一般道が通行止めになった場合は、近い駅に着けると。
「近い駅」というのが気にはなったが、結局じっとしていられず、とにかく東京さ行ぐべ!行げなくても近いとこまで行ぐべ!と固く決意し、楽器を抱えて2階建てのバスに乗り込んだ。


途中、天竜川や富士川の見たことの無いほどの濁流を眺めつつ、これじゃ新幹線は動かんわけだと思った。バスにして正解だなと思った。
しかし。ほぼ半日のながーいバス旅を終えて東京駅につくと、
「新幹線のダイヤは復旧し、ほぼ正常に運転しております」。
…あそう!いつの間に。新幹線の方が速かったようね…。



そして次の物言わぬ暴君は翌日にやってきた。

まさに、室内楽の本番中であった。弾いていたのである。
始め、気付かなかった。弾いている間は私の右手と左手は非常に厄介で難儀で面倒な動き(デリケート、とはあえて言わない)をしているので、脳天に金ダライでも落ちてくるか背後の奏者に弓で背中を刺されない限り、気付くはずがないのである。
そんな中で客席がちょっと騒がしいなと気付いた。弾きながらどうしたのかなと思った。

全休符がしばらく続く箇所に行き着いたので、弓を持つ手を下ろした。
すると、誰かが私が座っている椅子を小刻みにゆすっているではないか。
私のすぐ後ろに座っている○○さんだな、私なにか間違ったかしら?と思った。(リピートをすっ飛ばしちゃったかしら?弓順をひっくり返しちゃったかしら?など。)
根がへっぽこなので、このガタガタが「私の演奏に対する最大級の賛辞である」とは決して思えないのである。
何だろう?と思いつつ楽譜から目を離さないでいると、なんと3本足の譜面台が突然踊りだしたではないか。
そこで初めて地震だと気付いた。譜面台を押さえつけた。
大きく幅のあるゆっくりとした横揺れは、何だかイヤな揺れだな、気持ち悪いなと思わせた。
ついに東南海地震が来ただろうか、と。東京の我が家は大丈夫かしら。

終演後、あわててニュース速報を見ると、「甲信越地方で強い揺れ」とあるではないか。
なんだいこっちの方だったんかい!私がいたところは震度4であった。



被災された方にお見舞い申し上げます。
posted by どみ at 13:54| 東京 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | へっぽこの仕事周辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どみさんもダブルで体験したんですね〜。
お怪我や被害がなくて何よりでしたm(__)m


今回の台風&地震、自分もみっちり体験してきました。
台風4号の時は東京→大阪のお仕事中で、台風とともに帰京。
静岡の大雨で、高速を走っていても全く前が見えなくて泣きそうになりました(笑)

中越沖地震発生の時には長野でお仕事でした。
トラック運転中でも揺れに気づいたくらいで
あわてて停車させました。

幸いにも自身は被害がなかったけど、新潟の友人は
見事に2度目の被災、怪我も自宅損壊もなかったけど
家の中身はメチャメチャだそうです。

被災された方々のお役に立てればと、コンビニで細々と募金中。
お見舞い申し上げます。
Posted by まめたろう at 2007年07月21日 16:54
嵐を呼ぶ女!
そんな訳ないですね(^^;
ドラマーじゃないもん。
(ドラマーじゃなくてグラマーかどうかは未確認)

しかし、原発は怖いですな。
被災地域の住民の方々は、地震の被害から復興しても、
不安材料を抱えてしまう訳ですからね。
Posted by hide at 2007年07月22日 01:01
原発で「想定外」
揺れるたびにホコリが出てくるこの国ってどうなっているんでしょうね。。。
Posted by akisute at 2007年07月22日 01:10
まめたろうさん。
運転中でも気付いたくらいとは…。それは怖いですね。
先ほどテレビで被災された老夫婦に密着した番組を見ていたのですが、ご主人は左半身に障害を持っておられて、福祉専門の避難所で生活されていました。しかし、奥様は健常なので既に定員いっぱいの同じ施設で生活することはできない。こんな時だからこそお互いそばにいたいのに、ご主人は体が言うことをきかなくて妻を支えてやることもできないと泣いておられて、奥様はご主人が心配でと泣いておられて、私も涙してしまいましたよ。


hideさん。
ご安心くださいませ、グラマーと言われたことはありません。(ご安心、だろうか?がははー。)私がとうの昔に自ら確認しております。がははー。
原発に関しては、とりあえず、節電をしましょうかね…。それくらいしかできることが思いつかないや。


akisuteさん。
今後いろいろなことが「想定外だったため」「予想を上回ったため」で済まされてしまいそうで、それがこわいなぁと思います。
しかしまぁ、「想定外」なんて言葉を流行らせてしまったあの人はいま…。(つり目ぎみ遠い目。)
Posted by どみ at 2007年07月23日 00:00
老夫婦のお話、何ともやり切れないお話ですね。
避難所のルールとしては正しいのでしょうけど
もっと柔軟に対応できないのかと思ってしまいます。
心が弱っている時だからこそ、お互いに支えあいたいものでしょうけどね。
避難生活を強いられている全ての人たちが
早くいつもの平穏な生活に戻れることを願っております。

…んで、どみさんはグラマーではないのですか?
じゃあスレンダー?(笑)
Posted by まめたろう at 2007年07月24日 08:59
まめたろうさん。
グラマーでもスレンダーなく、ちびまるこちゃんと言ったところです。えへへ。
Posted by どみ at 2007年07月25日 02:05
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