2005年10月20日

母と神童―五嶋節物語/奥田 昭則

世界的天才バイオリニスト五嶋みどりと龍を産み、育てた母・節の夢と波瀾に富んだ半生記。若き日にバイオリニストをめざしながらも挫折した節は、娘のみどりにその夢を託して渡米。母娘で厳しい試練に耐えやがてみどりの才能は開花する。その間、夫と離婚。やがて新たな伴侶を得て、龍が誕生。龍もまた、節の教育により、バイオリニストの道を歩み始めた……。華やかな成功の影に秘められた喜びと苦悩。世代を超えて共感を呼んだ感動の記録、待望の文庫化。(出版社/著者からの内容紹介)

“五嶋節(ごとう・せつ)”と聞いて、その姿を思い浮かべられる人はどれくらいおられるだろうか。
あのみどりさんと龍くんにヴァイオリンを仕込んだ、モーレツ・ステージママである。

この本で一番記憶に残った一節。
「音楽はみどりにとって喜びの源泉だが、同時に苦しみの元凶にもなっているのだろう。節もみどり自身もそれを自覚していた。」
みどりさんが拒食症で入院した頃の一場面である。
小学校の国語の授業で“音を楽しむ”と書いて音楽です、なんて教わったものだが、天才少女には通用しない。(私は“音が苦”でオンガクだ、と教わったが。あぁ。笑)
音楽に近づこうとすればするほど、それが重荷になる。ストレスを感じる。職業音楽家・音楽愛好家を問わず、そのように感じたことのある方は多いのではないか。
もしそれが、ヴァイオリン以外何もできない女の子だったらどうだろう。
まだ自立していない女の子が、母親という精神的支えを得られなかったらどうだろう。

拒食症を克服するきっかけの一つとなったのが、子供向けにレクチャー・コンサートを開く非営利組織「みどり教育財団」のボランティア活動だった。
このことはマスコミでも報道されたものだが、この本にはテレビや雑誌からは窺い知れない、天才少女から大人の女性へと自立する過程が鮮やかに、そして堅実に描かれている。
苦しみから抜け出し、立ち直る。そして親離れと子離れ。
節とみどりの成長を、興味深く読んだ。

“ヴァイオリンは自分でやりたいと言って始めたことではないが、財団を設立したことはまったく自分のアイディアで始めた。だから誇りに思っている。”というみどりさんの言葉が素敵。


4094080015母と神童―五嶋節物語
奥田 昭則

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五嶋龍くん出演の、JR東日本のCM、あれいいよなぁ。
posted by どみ at 23:59| 埼玉 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | クラシック音楽の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どみさん、こんにちは。

五嶋龍くんのあのCM大好きです!!
先日CDも買ってしまいました(笑)。

この本もとても興味ありますね。
今度見つけたら買ってみます♪
Posted by けむし at 2005年10月23日 21:28
おぉけむしさん、CDをお買い上げですか。私もほしい(笑)。
エッセイ集も出たとか。オマケでDVDが付くらしくこれもほしい。(笑)
なかなか良い感じの青年に成長していて、どきりとさせられます。(笑)
「母と神童」には小さい頃の龍くんの写真が少しあります。かわいーーーーーーんだよぅコレが。*´∀`)
Posted by どみ at 2005年10月24日 00:54
どみさん初めまして。

けむしさん、私もCD買っちゃいました♪
とっても良いですよ〜(≧Ч≦)ノ

今では、母の方が龍くんのファンになっちゃいました(笑)
なにげに同い年だったし…(笑)

本も欲しいなぁ…。。

Posted by メグイチ at 2005年10月26日 21:22
メグイチさん、いらっしゃいませ。
あら龍くんと同じ歳?それだけでスバラシイよ!(笑)


Posted by どみ at 2005年10月27日 01:07
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